
「何回言ったらわかるの!?」「昨日も同じこと言われたじゃない!」「ダメって言ったでしょ!」
子どものよくない行動を止めたり、何かを言い聞かせるときに、言うことを聞いてくれないことで悩んだ経験はありませんか?
「言ったことを子どもが守らない」という悩みは、親なら誰でも経験する共通の問題です。しかし、その解決策が実は思った以上にシンプルだったとしたら?
今回は、「静かにしてね」をはじめとする一見当たり前の指示の効果を最大限に引き出すための「言ったことを守ったときにしっかり認める」というアプローチを提案します。
「静かにできた」を見逃さない!子どもの行動を認める
例えば、「静かにして」と言ったのに静かにしなかった場合、何度も「静かに!」と注意することが多いでしょう。
しかし、実は重要なのは、子どもがきちんと静かにしている瞬間を見つけ、その姿を認めることです。
子どもが静かにしている時、私たち大人はその行動を当然と捉えてしまいがちです。その結果、「静かにしてくれてありがとう」とか「静かにしていて素敵」といったポジティブなフィードバックが省かれがちになります。しかし、これだと子どもはいい姿を続けるモチベーションを失ってしまいます。
少しでも守ったらちゃんと認めることが重要
では、どのように子どもを認めたらいいのでしょうか。「静かにしてね」と言った後に、子どもがほんの少しの間でも静かにしていたら、それは言ったことを守った証拠です。そこでまずは、その行動を認めてあげることが重要となります。
1時間静かにしててもらわないと困るのに、5分だけ静かにできたのを褒めたら「ちょっとだけ静かにすればいいや」と思うんじゃ?なんて心配は不要です。
子供は認められたり注目されたことを伸ばそうとします。褒められたり親がちゃんと認めてくれた体験を積むことで、「この場所では静かにする」ということが子供にとってポジティブな体験になっていきます。
子供は褒められたり認められたことは、自分の意志でもっとやろうとする傾向があります。
反対に、怒られたりしたときは怒られたくないから仕方なくやめようと思うけど、だいたいそういうときって反対の自分の意志(これがしたい!)に抗ってするのでなかなか難しい!(大人だって自分のやりたいことを我慢して何かするのは難しいですよね)
叱るよりも、静かにできている状態を繰り返し認めていきましょう。これを心がけることで、子どもの行動改善につながります。
言うこと聞けた体験を繰り返すには対策する工夫がとても大事
子供が「言うことを聞けた」という体験をたくさんするためには、前もって対策をしておくことも大事です。
例えば子どもが騒がしくなるのは、興味のない状態が多い場合があります。そのため、子どもの興味を引くような遊びや物を提供することで、待っていられるような状態を作る工夫が必要です。
そうやって「静かにできる環境を用意」→「しずかにできた」→「しずかにできたね(褒められた)」という、自分は静かにできる、静かにできると親が喜んでくれるというパターンを作っていきます。
子どもが興味を持ち、楽しみながら静かに過ごせる環境を整えることで、言ったことを守る機会が増え、育児がスムーズに進むでしょう。
成長を引き出す育児のポイント
言ったことを守らない子どもへのアプローチとして、以下のポイントを心に留めておきましょう。
- 認めることの重要性:言うことを守ってくれたことをしっかりと認めることで、子どもの自尊心や自己肯定感を育みます。
- 叱るよりも認める:子どもが守ったことを認めることで、子どもは次回も同じ行動を続けようとする意欲を持ちます。
- 興味を引く環境づくり:子どもが言うことを守れる環境を作り、守る経験を繰り返しましょう。
育児は子どもとのコミュニケーションや理解を深める過程です。言ったことを守らないことにイライラするのではなく、子どもの良い姿を引き出すために、言ったことを守った時にしっかりと認めることを心掛けましょう。子どもの成長を大切にする育児スタイルは、将来にわたって子どもの自己肯定感や自立心を育む礎となるでしょう。
以上が、子どもが言うことを守ってくれるようにするためのアプローチです。子どもの行動改善には、正しく行動したときにその行動を認め、肯定的なフィードバックを与えることが不可欠です。この視点を持つことで、育児の悩みが少しでも軽減されることを願っています。